ステロイド製剤の塗り薬(Class?)種々のエステルと効果の不思議な関係?

ステロイド製剤の塗り薬にはその構造と効果には不思議な関係があります。



構造式

デキサメタゾンとベタメタゾンの構造式は酷似しています。 以下の構造式ですが、構造式にアレルギーの方も多いと思いますが でも安心してください。


我々が見てもどこが違うんだ???  とクイズの間違え探しのように目を凝らしてしまいます。 一番右側の三角形が塗りつぶされているのがベタメタゾン、点線なのがデキサメタゾンと立体異性の関係にあります。



ベタメタゾン

デキサメタゾン

したがって分子式や分子量は全く同じです。


さてリンデロンVとボアラの関係は

リンデロンVがベタメタゾン吉草酸エステル

ボアラがデキサメタゾン吉草酸エステル

で違いは、デキサメタゾンかベタメタゾンかの違いだけです。


同様にリンデロンDPとメサデルムの関係は

リンデロンDPがベタメタゾンジプロピオン酸エステル

メサデルムがデキサメタゾンジプロピオン酸エステル

太字部分の違いだけです。



効果

効果は、

リンデロンV⇒classⅢ

ボアラ  ⇒classⅢ


と同じ分類ですが、

リンデロンDP⇒classⅡ

メサデルム  ⇒classⅢ


と構造式はほとんど同じなのにリンデロンDPだけclassⅡに分類されます。



最後に

リンデロンDPが発売されたのは1980年、立体異性の存在は、アミノ酸などで古くから知られていましたが、従来生物の世界の不思議・・・・・・・・・・?


のように扱われてきた光学異性などの立体異性に対する分析技術や、選択的合成技術の進歩により高純度の立体異性体の商品化が可能となりました。


そして、今回扱ったようにわずかな違いが薬物の効果に大きな影響を及ぼすことが分かってきました。


多くのステロイドたちはまさにさきがけ的な化合物たちです

薬の千夜一夜物語 漢方薬編

ヨーロッパでは漢方薬のようにハーブを処方箋薬として使います。 インドにはアーユルベーダを利用した医学があります。 日本の漢方医学は中医学とは異なり西洋医学の考え方を織り込んだ漢方薬です

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