急速に進歩している吸入剤について(その3)
さてなぜ、吸入剤のジェネリック薬を作るのがむつかしいのかですが・・・・・・
例えばキュバール™の場合エアロゾルの粒子径を細かくすることにより、肺深部への到達率があがり有効成分の量を少なくすることが可能となりました。
では、粒子径を細かくすればするほど、良いのか???
実は0.5μm以下の粒子径だと肺の奥まで届くが、付着できずそのまま呼気にでてしまう。
したがって1~5μmが最も有効成分が気道に効率的に働くとされている
また10μm以上だと、口腔内や咽頭部に付着してしまい肺深部まで到達できない。
キュバール™の開発に携わったのですが、製剤輸入の形でエアロゾル製剤を包装だけして臨床試験用製剤を作るという作業でした。
残念ながら、エアロゾルの粒子径を細かくするための技術などの開示はしてもらえませんでした。
特許でのしばりもありますが、特許には使った装置の解説などはなく、むしろノウハウとして社外秘となっていました。
特許の権利は保護されますが、文書にして公開してしまうと、再現が容易です。
そのため、法による制限よりもノウハウとして社内に留保するという作戦がしばしば選択されます。
今は特殊なノウハウでも、時間がたてば一般的な手法となります。
吸入剤はまだ進化の途中なのでジェネリック薬を出すのがむつかしいということです。
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