ニキビ治療薬 (5) アクアチムクリーム
ダラシンTゲルの主成分はクリンダマイシンで抗生物質でした。 今日はアクアチムクリームの説明です。 どちらもよく似た薬理作用を持ち、耐性菌の発生についても同じですが、抗生物質とアクアチムの主成分である合成抗菌剤ナジフロキサシンは全く異なる化合物です。
ナジフロキサシンと名前にキサシンとつく化合物は合成抗菌剤いわゆるニューキノロンです。 わざわざ名前に合成とつくように、この一連の化合物はナリジクス酸(1962年誕生)を元に様々な分子修飾が試みられ、現在ニューキノロンといわれる一連の化合物に発展してきています。
抗生物質は今更ですが、フレミングによって発見された、アオカビ由来のペニシリンが最初の化合物で、当初は培養により作られていました。
まず、クリンダマイシンもそうですが、抗生物質は一般に生物由来ですので熱に不安定です。 特に暖かい場所に保管されるとすぐに分解してしまいます。 一方ニューキノロン系の化合物は、一般に熱に強く保管に神経を使う必要はありません。
ほぼ種切れの感のある抗生物質類に比べ、ニューキノロン系化合物には新薬開発の可能性がまだわずかに残されています。
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