ニキビ治療薬(6)ゼビアックスローション
アクアチムクリーム(ナジフロキサシン)クリームとダラシンTゲル(クリンダマイシン)のところで書きましたが、抗生物質と合成抗菌剤(ニューキノロン)は全く違うものです。
その薬効が似ており、使い方は同じようなものだから、使う人(患者さん)が両者の違いを意識して用いる必要は全くありません。
まずクリンダマシンですが、リンコシン系抗生物質でその作用機序は細菌のタンパク質の合成阻害です。 もともと、発酵技術を元に土壌から次々と発見、合成されてきた抗生物質には様々な構造式の系統があり、βーラクタム系、アミノグリコシド系、マクロライド系、テトラサイクリン系等の多様な種類があります。
土壌に含まれる微生物については、ほぼ、世界中の土壌が採取され試験され、土壌菌からは今後新たな発見はないだろうとさえ言われています。
ナリジクス酸にピペラジン環を付けたものがいわゆるピペミド酸で緑膿菌にも抗菌スペクトルを示しました。 しかしこの段階ではまだまだ抗生物質に比べ非常に弱い抗菌作用しかもたなかったのですが、フッ素を導入したバクシダール(ノルフロキサシン)はナリジクス酸、ピペミド酸よりはるかに抗菌作用が強く、当時、耐性菌の出現で使いにくくなっていた抗生物質に変わり、広く用いられるようになり、フッ素を導入した化合物が次々と作られニューキノロン類と呼ばれるようになりました。
ナリジクス酸→→→ピペミド酸→→→→ノルフロキサシン
(ピペラジン環) (フッ素) (ニューキノロン)
ニューキノロン類ですが登場した当初は、抗生物質に比べ、耐性菌を作りにくいという謳い文句でしたが、処方数が増えて、結局多くの耐性菌が生まれるようになってきました。
さて本日のゼビアックスローションですがゼビアックスローションの主成分はオゼノキサシンでニューキノロンです。
ニューキノロンは化学的に安定なので液体として、ローション剤として最初から製剤化することが可能です。 一般に水溶液の方が不安定な化合物が多く、安定な化合物のみが液体での製剤化が可能です。
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