抗ガン剤って① 薬剤師的に解説してみた
抗がん剤についてインターネット上では様々な情報が流れています。
そこで、抗がん剤の解説を3回に分けて進めていきます。
本日は第1回目化学療法剤とホルモン療法についてです。
まず化学療法剤を大きく4つに分類しました。
① 代謝拮抗薬 メトトレキサート、5FU
② 抗生物質 ドキシル、マイトマイシン
③ 白金製剤 シスプラチン、カルボプラチン
④ 微小管作用薬 タキソール、タキソテール
その作用機序を大きく3つに分類しました。
①がん細胞の成長を止める (アルキル化剤、代謝拮抗剤、抗生物質)
②がん細胞を殺す (白金製剤)
③がん細胞への栄養源を断つ (微小管作用薬)
すべてがん細胞の分裂、増殖を阻害する薬ですが、
がん細胞への選択性がありません。
分裂、増殖の盛んな箇所はがん細胞のみではなく、毛母細胞や骨髄細胞のように常に分裂、増殖を繰り返している正常細胞にも効果を示します。
そのため、脱毛や骨髄抑制と呼ばれる、血球の減少など強い副作用が起こります。
次にホルモン療法ですが、
乳癌、精巣がんにリュープリンというLH-RH誘導体製剤を注射します。
乳がんも精巣がんもその成長にはそれぞれ女性ホルモン、男性ホルモンを必要とします。 リュープリンはそれらの性ホルモンの分泌をストップしてがんの成長を抑えます。
がん種は上記2種類に限定されます
さらに、すべての乳がん患者、精巣がん患者に有効というわけではありません。
しかし、副作用は細胞毒である化学療法剤と比べると少ないです。
最後に
現在のようにAIが進歩し、画像診断技術などが進んでも古くからあるこれらの副作用の強い化学療法剤は使い続けられています。
おそらくあと20年間は使い続けられるだろうと予想されています。
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