抗ガン剤って②  薬剤師的に解説してみた

第1回目では古くから使われている抗がん剤である化学療法剤とホルモン療法の解説をした。


何度も書いているが、薬というのは副作用があるから健康な人が飲むものではない。 しかし、必要以上に恐れる必要はない。


ということで、第1回目では古くから使われている抗がん剤の中でも化学療法剤にはがん細胞特異性がないため、増殖速度の速い細胞である髪の毛を作る細胞や血液を作る細胞の増殖も抑えてしまうことを書いた。


細かい薬の名前や働きを覚える必要はないが


化学療法剤とは、増殖の速い細胞をたたく薬


以上のことをぜひ覚えてほしい。


今日は飲み薬の分子標的薬について解説します。


最も古い飲み薬の分子標的薬はイレッサ™で2002年世界で最初に日本で承認されました。


イレッサ™はがん細胞のもつ特異的な受容体(上皮成長因子受容体(EGFR))に選択的に結合して抗腫効果を示します。


つまり


分子標的薬は


がん細胞を選択的にたたく薬


として開発されたもので、マスコミにより夢の新薬ともてはやされました。


しかし、イレッサ™にも副作用は当然あり、死亡例もでて開発会社のアストラゼネカや厚労省も薬害訴訟の対象となりましたが結局原告敗訴が確定しています。


さて、分子標的薬(飲み薬)の紹介をします。


上皮成長因子受容体阻害       イレッサ、タルセバ     非小細胞肺がん

フィラデルフィア染色体上の異常染色体  グリベック、スプリセル  急性リンパ性白血病

血管内皮細胞増殖因子阻害      スーテント、カプレルサ   腎細胞がん


それぞれ、最初に標的部位、薬品名(商品名)、対象がんを書いた。


以上名前や選択部位などを覚える必要はないが


がん細胞に選択的に効果を発揮する。


是非このことを覚えてほしい。


最後に、もう一度


薬には必ず副作用がある







薬の千夜一夜物語 漢方薬編

ヨーロッパでは漢方薬のようにハーブを処方箋薬として使います。 インドにはアーユルベーダを利用した医学があります。 日本の漢方医学は中医学とは異なり西洋医学の考え方を織り込んだ漢方薬です

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