抗ガン剤って③ 薬剤師的に解説してみた

抗がん剤って①で古くから使われている化学療法剤やホルモン療法の解説をした。


抗がん剤って②で分子標的薬(飲み薬)の解説をした。


本日は抗体医薬の解説をする。


抗体医薬とは、モノクローナル抗体と呼ばれる一種類のみの抗原部位に結合する抗体を用いた薬のことです。


人間はじめ動物が作る抗体はポリクローナル抗体とよばれる多くの抗原に対する抗体が混ざったものです。


しかし、モノクローナル抗体製造技術は単一の分子を標的としてそれを攻撃する抗体作成を可能としました。


分子標的薬【がん細胞にのみ存在する分子を標的とする薬(抗がん剤の場合)】



抗体医薬の進歩


① マウス由来抗体   セヴァリンはイットリウム90という放射性同位体のベータ線ががん細胞特有の標識抗原と結合することで死滅させる抗体医薬、抗体部分はマウス由来抗体を用いたため強いアレルギー反応を起こす。


② キメラ抗体    リツキサンはセヴァリンと同じがん細胞特有の標識抗原と結合する抗体だが、遺伝子組み換え技術の応用でがん細胞と結合する部位のみマウス由来抗体として残し約70%をヒト由来抗体に組み替えた抗体医薬、アレルギー反応はかなり抑えられるようになった。


③ ヒト化抗体  ハーセプチンはがんの増殖に関係する分子を標的とした抗体医薬、95%をヒト由来抗体に入れかえたため、ほとんどアレルギーは亡くなった。


④ 完全ヒト型抗体 ヒト型遺伝子を持つマウスに抗体を産生させるなどの手法で100%ヒト由来の抗体医薬が現在では用いられている。  オプジーボはこの方法で作られ京都大学の本庶教授がノーベル賞を受賞されたのは記憶に新しい。


しかし、オプジーボにも副作用はあり令和になった5月9日に厚労省は脳障害の副作用11例と死者1例を添付文書に書くように小野薬品に対して通達した。

薬の千夜一夜物語 漢方薬編

ヨーロッパでは漢方薬のようにハーブを処方箋薬として使います。 インドにはアーユルベーダを利用した医学があります。 日本の漢方医学は中医学とは異なり西洋医学の考え方を織り込んだ漢方薬です

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