ポリエチレングリコールについて(2)
ポリエチレングリコール(PEG)の医薬品への応用その2
ですが
PEG化(英語ではPEGylation)に用いられます。
ポリエチレングリコール(PEG)をタンパク質にくっつけることをPEG化、PEG修飾と呼びますが
くっつけることで、血液中での持続時間を長くすることができます。
例えばPEGASYS™(C型肝炎治療薬)はPEG化インターフェロンα製剤ですが1週間に一度の皮下注でOKです。
でもPEG化は利点ばかりかというとそうでもなく
くっつける方法によりその活性が大きく落ちることが知られており、くっつけ方の研究が盛んにおこなわれています。
例えば
PEGASYS™はもとのインターフェロンαの7%の活性しかもっていません。
つまり、93%が失活してしまっているのです。
このことは工業的に効率の悪い製剤であるという意味以上に
多くの失活したPEG化インターフェロンαをヒトに投与していることを意味しています。
たとえ失活したインターフェロンαに毒性がほとんどなくても気持ちの良いものではありません。
私の大学院時代の研究室のテーマにインスリンの坐剤の研究がありました。
インスリンに関しては患者さんの負担を軽減するために様々な研究がされており、最近では1日1回の注射剤が用いられています。
ポリエチレングリコールは用いていませんが、誘導体化することによりインスリンの立体構造を改変して持続性を持たせています。
いつか、1週間に1回の注射剤ができればよいなあと思っています。
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