ポリエチレングリコールについて(その3)
さて、本日はポリエチレングリコールについてその3
便秘薬としてのポリエチレングリコールについてです。
欧米では古くから便秘薬の第1選択としてポリエチレングリコールが用いられてきました。
しかし、日本では慢性の便秘にはセンナやダイオウなど漢方薬が処方されることが多くポリエチレングリコールはあまり一般的ではありませんでした。
2018年9月にモビコール配合剤が始めて認可され、ポリエチレングリコールを配合した便秘薬による治療が行われ始めています。
この薬理作用を説明するため、浸透圧には2種類あることについて解説したいと思います。
浸透圧とは半透膜(小さな分子だけを透す膜)をはさんで溶質の濃度勾配のために生じる圧力
一般に細胞膜は半透膜で水は通過できるが、NaやKなどの電解質(溶質)は通過できず、
そのため細胞内外の浸透圧差により細胞内の水分量が調節されています。
生体の水の塩分濃度は0.9%の食塩水とほぼ同じでその理由は生物が海から誕生したからだと言われています。
現在の海水の塩分濃度は3.4%で生理的食塩水の0.9%よりかなり高いが、生命誕生時の海水の塩分濃度は0.9%だったそうです。
さて、以上がいわゆる高校の化学で習う浸透圧
もう一つ
膠質浸透圧と呼ばれる体の内外の水分量を調節する浸透圧がある
これについては明日また解説する予定です。
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