急速に進歩している吸入剤について(その16)

本日はその16で配合剤についての続きです。


日本はこの分野でも欧米にくらべ大きく遅れています。


その理由の一つは厚労省が長く、配合剤についての承認を日本では、認めてなかったこともあると思われます。


その結果、日本の製薬会社のMRの仕事は自社製品の営業という側面が強く、実際の使われ方から商品へのフィードバックという面が欠けていたのではないでしょうか?


吸入薬の配合剤についてみていると、MRまたは開発⇒研究所へのフィードバックによって作られた製剤であることがよくわかります。


繰り返しになりますが


吸入剤の有効成分は


① ICS:Inhaled CorticoSteroid(吸入ステロイド薬)


② LAMA:Long Acting Muscarinic Antagonist (長時間作用型抗コリン薬)


③ LABA:Long Acting βーagonists (長時間作用型β2刺激薬)


上記3種類です

本日は


② のLAMAと③ のLABAを組み合わせた製剤についてです。


①ウルティブロ™  グリコピロニウム臭化物(LAMA)+インダカテロールマレイン酸(LABA)  1日1回吸入   COPD


②アノーロ™   ウメクリジニウム臭化物(LAMA)+ビランテロールトリフェニル酢酸(LABA) 1日1回吸入   COPD


③スピオルト™  チオトロピウム臭化物(LAMA)+オロダテロール塩酸(LABA) 1日1回吸入 COPD


以上が2成分系での配合剤です。


有効成分の組み合わせと新しいデバイスの開発により、これら配合剤は新有効成分配合医薬品と同等の薬価と2週間の投与制限が課されます。


これらの配合剤については、新薬の種が研究所にのみあるわけではないということを強く認識させられます。

薬の千夜一夜物語 漢方薬編

ヨーロッパでは漢方薬のようにハーブを処方箋薬として使います。 インドにはアーユルベーダを利用した医学があります。 日本の漢方医学は中医学とは異なり西洋医学の考え方を織り込んだ漢方薬です

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