泌尿器科の薬 (その2)ネオキシ™テープ

本日は2回めネオキシ™テープの紹介です。


有効成分は昨日紹介したポラキス錠と同じですが錠剤ではなくテープ剤です。



ネオキシ™テープ


【有効成分】  オキシブチニン塩酸塩


【製剤】    ネオキシ™73.5mgテープ


【薬価】    183円/枚


【用法、用量】  1日1回 1枚


【薬効】  頻尿、尿失禁


【副作用】 口喝、便秘、眠気


【作用機構】  ① Ca拮抗作用  ② 抗コリン作用

 

ネオキシ™テープの説明


ネオキシ™テープは昨日紹介したポラキス錠と有効成分が同じです。


では、テープ剤としたことでどのような違いが出るのでしょうか?


まずポラキス™錠は1日3回服用でしたが、ネオキシ™テープは徐放性製剤であり、1日1回の使用でOKです。


私は薬剤師として1日1回の塗り薬や貼り薬は入浴時に張り替えるのが良いと勧めています。


製剤屋として、入浴に耐えうる塗り薬や貼り薬の開発を命じられたら不可能ではないと思います。  



しかし、そのためのコスト負担を患者さんにお願いするより、


薬剤師として、入浴前にはがしてもらって、入用後にお貼りくださいとお願いする方がコスパが良いと思うからです。





さて、排尿障害の原因は


①畜尿障害


②排出障害


大きく二つに分類できます。


ネオキシ™テープは①の畜尿障害に効果のあるお薬です。


畜尿障害とは膀胱に尿を貯めておくことができなくなるため、頻尿や尿失禁などの原因となることです。




最後に


ポラキス™錠とネオキシ™テープを比較してのメリットは何なのでしょうか?


1日3回服用⇒1日1期貼付


久光製薬は上の事実だけを大きく宣伝しています。


しかし、添付文書にも、インタビューフォームにも書かれてはいませんが、、、、、、、、、




① オキシブチニンの活性代謝物が副作用の口渇や便秘の原因となっていること


② オキシブチニンの活性代謝物は肝臓で作られる


③ 経口投与製剤(ポラキス™錠)の有効成分は肝臓を通過してから全身系に到達する。(肝初回通過効果)


④ テープ剤は肝臓を通過せず直接全身系へ到達する。



以上のことからネオキシ™テープはポラキス™錠に比べ抗コリン作用に基づく副作用が少ないと考えられます。




ではなぜ久光製薬はこの点を大きく宣伝しないのか?


上記のこと(副作用が少ない)を証明するにはポラキス™錠を対照として臨床試験を行う必要があります。


そして上記臨床試験をするには大変なお金がかかりますが、新薬並みの薬価と2週間の投与制限が課されますが、開発中の副作用の少ない飲み薬には勝てないとの判断?



とにかくこの薬は、新投与経路医薬品として開発されています。


患者も安く使えるし、賢明な選択だったかもです。


最後に私をはじめ製剤屋さんの中には未来の薬はすべて貼り薬になるだろうと思っている人が少なからずいます。


副作用の強い薬も貼り薬であれば、はがせば副作用は抑えられます。


日本人は局所の炎症(赤くはれる)等、目に見える副作用に厳しいので日本では無理かもですが、いつの日かそんなときがくるかもしれませんね




薬の千夜一夜物語 漢方薬編

ヨーロッパでは漢方薬のようにハーブを処方箋薬として使います。 インドにはアーユルベーダを利用した医学があります。 日本の漢方医学は中医学とは異なり西洋医学の考え方を織り込んだ漢方薬です

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