泌尿器科の薬 (その5) ベサコリン™散
本日紹介する薬はベサコリン™散です。
有効成分はベタネコールで作用機序はコリン作動薬で、ムスカリン受容体に結合して副交感神経を刺激して膀胱平滑筋を収縮させて排尿を促進します。
さて、昨日までは過活動性膀胱を抑えて、頻尿や尿失禁を治療する薬でした。
本日から、排尿障害を治療するお薬の紹介です。
したがって、用いる薬は正反対の薬効を示す薬物です。
例えば
① 膀胱平滑筋の収縮抑制や弛緩作用⇒過活動性膀胱治療薬 (ポラキス™、ベタニス™、ベシケア™等)
② 膀胱平滑筋の収縮⇒排尿障害改善薬 (ベサコリン™)となります。
ベサコリン™散
【有効成分】 ベタネコール塩化物
【製剤】 ベサコリン散™5%
【薬価】 ベサコリン散™5% 12.6円/g
【用法、用量】 1日30~50mgを3~4回に分けて経口投与する。
【薬効】 低緊張性膀胱による排尿困難(泌尿器)
【副作用】 悪心、嘔吐、腹痛、下痢に注意
【禁忌】 甲状腺機能亢進症の患者、気管支喘息の患者、膀胱頸部閉塞の患者など
【作用機序】 コリン作動薬
最後に
非常に古い薬で現在は散剤のみが販売されているだけです。
また殺菌剤などにも含まれるコリン基(4級アンモニウム)を含むことから、飲み薬としては副作用も強く決して使いやすい薬ではありません。
しかし、コリンエステラーゼで分解されないため作用時間の持続性がある。
また強力なコリン作動物質であるため今後も長く使い使われていく薬ではないでしょうか?
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