子供の遺伝病(ファブリー病)治療薬 リプレガル™点滴静注用
小児慢性特定疾病に指定されている病気、ファブリー病治療薬のリプレガル™の説明です。
ファブリー病はアジア系に多い先天的遺伝病で、αーガラクトシダーゼ活性(加水分解酵素)の低下により引き起こされます。
手足の痛みや汗をかきにくいことによる体温上昇などがみられます。
作用機序
リプレガル™(アガルシダーゼ アルファ)はヒトリソソーム加水分解酵素で分子量約102,000の糖たんぱく質で先天的な酵素欠損患者、酵素活性低下患者への酵素補充療法として使われます。
臨床試験
米国及び英国において、男性ファブリー病患者41例に本剤0.2mg/kgあるいはプラセボを、2週間に1回の頻度で6ヵ月間静脈内投与(12回)する二重盲検比較試験を行った。
その結果、血漿中CTH濃度及び尿沈渣中CTH量が減少するとともに、プラセボ群に比較し有意な疼痛の軽減、腎機能低下の抑制及び左室肥大進行の抑制が認められた。
副作用
長期使用に関する調査では、493例中121例(24.5%)に副作用が認められ、発熱12例(3.7%)。倦怠感14例(2.8%)、悪心11例(2.8%)、四肢疼痛10例(2.0%)等でした。
重大な副作用にはアナフィラキシーショックが報告されています。
製剤
アガルシダーゼ アルファ(遺伝子組み換え) 3.5mgを含むバイアル製剤(3.5ml)
薬価
リプレガル™点滴静注用3.5mg 372,665円/瓶
最後に
次々と高価な薬が発売され、一瓶37万円という薬価では驚かなくなりました。
もともとバイオ新薬が開発されるきっかけは欧米で糖尿や高血圧など患者数の多い生活習慣病治療薬開発ばかりを行っていた製薬会社への批判の高まりに対処するためでした。
かつて、ブロックバスターと呼ばれる全世界で毎年1兆円を超える売り上げを示す大型の薬は老人向けの薬ばかりでした。
現在では、抗がん剤など難病治療薬の中に多くのブロックバスターが生まれています。
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