古くて新しい抗がん剤ゼローダ™錠

本日紹介するゼローダ™錠300は体内で5-FUという非常に古くから使われている抗がん剤に変化して効果を発揮します。


このように体内で有効成分に変化するものをプロドラッグと呼びます。


最近流行のバイオ新薬や、分子標的薬ではありませんが、中外製薬で創薬された日本生まれの薬で現在世界中で使われています。

効能、効果

手術不能又は再発乳癌 

結腸・直腸癌 

胃癌


作用機序

カペシタピン

肝臓で5’ーDFCRに変化し、腫瘍細胞の酵素で5’-DFURに変化します。  さらに腫瘍組織内に高濃度に存在する酵素で5-FUに変化して抗腫瘍効果を発揮します。


消化管内では毒性の低い未変化体のまま体内に入り、腫瘍細胞内で細胞毒性の強い5-FUに変化し効果を示します。


臨床試験(有効性と副作用)

進行、再発乳がん患者に1日2回21日投薬後7日休薬のスケジュールで本剤を投薬した。 有効例は45.5%(10/22) 副作用例は82.6%(19/23)でした。  

主な副作用は、総ビリルビン上昇10例(43.5%)、赤血球減少10例(43.5%)、皮膚色素沈着7例(30.4%)、LDH上昇7例(30.4%)、白血球減少7例(30.4%)等でした。


製剤

ゼローダ™錠300 カペシタピン300mgを含むフィルムコート錠


薬価

ゼローダ™錠300  346.4円/錠

カペシタピン錠300mg「サワイ」  131.8円/錠


最後に

プロドラッグとすることで副作用が弱くなっているとはいえ、本来細胞毒である5-FUが有効な形であるため、やはり強い副作用を持つお薬です。


ジェネリックもすでに発売されており、値段の面では、近年の高価な抗がん剤に比べ使いやすいおくすりです。










薬の千夜一夜物語 漢方薬編

ヨーロッパでは漢方薬のようにハーブを処方箋薬として使います。 インドにはアーユルベーダを利用した医学があります。 日本の漢方医学は中医学とは異なり西洋医学の考え方を織り込んだ漢方薬です

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