慢性腎臓病患者のリンの吸収を阻害する、リオナ™錠(クエン酸第2鉄)


慢性腎臓病患者さんは高リン血症を示すことが多い。 (慢性腎臓病 東京女子医大HPより)


リオナ™錠の有効成分はクエン酸第2鉄です。  クエン酸は食器洗い用洗剤にも使われるようにCaイオンのようなイオンと強く結合して、ガラス表面のくもりを除去したりします。


クエン酸第2鉄は消化管内でクエン酸と鉄イオンに別れ、鉄イオンが食事中のリン酸と強く結合して、水に溶けなくなり消化管を素通りしてリンの吸収を阻害します。



有効成分

クエン酸第2鉄水和物


効能・効果

慢性腎臓病患者における高リン血症の改善


用法・用量

開始用量はクエン酸第2鉄として1回500mgを1日3回
最高用量は6000㎎/1日とする


作用機序

消化管内でリン酸と結合して不溶性となり、リンの吸収を阻害します。


副作用

下痢,便秘,腹部不快感,血清フェリチン増加等


製剤

リオナ™錠250mg


薬価

リオナ™錠250mg  80.5円


最後に

フェロミア™錠50mgはクエン酸第1鉄ナトリウムを有効成分として含む鉄欠乏性貧血治療薬ですが8.6円/錠と安く、5錠で250mgのクエン酸第1鉄を含みますが43円/5錠です。


また、フェロミア™錠はジェネリック薬が発売されていますが、リオナ™錠にはありません。  


第1鉄製剤も第2鉄製剤もリンの不溶性化能に試験管内では大きな差はないですが、臨床試験データがあるのは第2鉄製剤だけです。


10年1000億円と言われる新薬の研究開発費用、そのほとんどが臨床試験に必要なお金です。  

製薬会社は特許が切れるまでの期間で臨床試験にかかった費用を回収する必要があります。

薬の千夜一夜物語 漢方薬編

ヨーロッパでは漢方薬のようにハーブを処方箋薬として使います。 インドにはアーユルベーダを利用した医学があります。 日本の漢方医学は中医学とは異なり西洋医学の考え方を織り込んだ漢方薬です

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