透析患者さんの貧血治療に飲み薬!!!!・・・・ エベレンゾ™錠(ロキソデュスタット)


腎性貧血の原因は腎臓で必要な量の造血ホルモン(エリスロポエチン:EPO)が作られないために起こります。


そのため、遺伝子組み換えEPO製剤を注射することで治療が行われてきました。  


しかし、EPO製剤の効きにくいEPO抵抗性腎性貧血も知られており、「ポストEPO製剤」が待ち望まれていました。


エベレンゾ™錠は2019年11月発売に世界初のHIF活性化薬(hypoxiaーInducible Factor:低酸素誘導性因子)として発売されました。


有効成分

ロキサデュスタット


効能・効果

透析施行中の腎性貧血


効能・効果の注意

血液透析患者ではヘモグロビン濃度で10g/dL未満

腹膜透析患者ではヘモグロビン濃度で11g/dL未満


用法・用量

①赤血球造血刺激因子製剤で未治療の場合 

通常、1回50mgを開始用量とし、週3回経口投与します。


②赤血球造血刺激因子製剤から切り替える場合 

通常、1回70mg又は100mgを開始用量とし、週3回経口投与します。


警告

本剤投与中に、脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓等の重篤な血栓塞栓症があらわれ、死亡に至るおそれがあります。


作用機序

高地トレーニングによる低酸素環境下ではヘモグロビン濃度が増え酸素供給力が増加することはスポーツ医学においてはすでに常識です。

(高地トレーニング情報サイト参照)

ロキソデュスタットは低酸素誘導因子(HIF:hypoxia inducible factor)の分解に関わるHIF-プロリン水酸化酵素(HIF-PH)を阻害します。 

その結果HIFが蓄積し、EPO産生を増加させると考えられています。


重大な副作用

血栓塞栓作用、脳梗塞、急性心筋梗塞、シャトル閉塞等の血栓塞栓症


製剤

エベレンゾ™錠20mg

エベレンゾ™錠50mg

エベレンゾ™錠100mg


薬価

エベレンゾ™錠20mg  387.4円/錠

エベレンゾ™錠50mg   819.2円/錠

エベレンゾ™錠100mg 1443.5円/錠



最後に

低酸素応答とは、酸素濃度が低い環境下でも細胞が恒常的に働く機構のことです。

この発見により英国、および米国の3人の科学者が2019年にノーベル医学生理学賞を受賞しました。


3人は低酸素状態になると体内で「HIF」と呼ばれる特別なタンパク質が大量に作られ、酸素を取り込んでその状態に適応することなどを解明しました。


薬の千夜一夜物語 漢方薬編

ヨーロッパでは漢方薬のようにハーブを処方箋薬として使います。 インドにはアーユルベーダを利用した医学があります。 日本の漢方医学は中医学とは異なり西洋医学の考え方を織り込んだ漢方薬です

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