コロナにマジ効くの? レムデシビルの解説を薬剤師としてやってみた!
さて、緊急事態宣言の延長が(5月末まで?)発表されました。
レムデシビルの新型コロナに対する国際共同治験も進んでおりその結果は5月後半にはまとめられる予定です。
レムデシビルはC型肝炎治療薬のハーボニー配合錠などの開発で有名な米国ギリアド・サイエンシズ社の開発した薬です。
レムデシビルはエボラ出血熱およびマールブルグウィルス感染症治療薬としてすでに開発が進められており、ヒトでの十分大規模な臨床試験例を有しています。
したがって、新型コロナウィルスに対する効果さえはっきりさせれば、人類を救う薬となるでしょう。
作用機序
レムデシビル(開発コード GS-5734)の作用機序ですが、レムデシビルが生体内に入った後、
左半分のリン酸基で結合している部分が外れてGS-441524という化合物になって効果を示すいわゆるプロドラッグです。(下図参照)
GS-441524はアデノシン(核酸)と構造が酷似しています。
ウィルスは増殖するために自身の遺伝子の複製を行います。
この際アデノシンと間違えてGS-441524を取り込んで複製ができなくなってしまうことで抗ウィルス活性を示します。
このような化合物を核酸アナログと呼び、アビガン™(ファビピラビル)も同じ作用機序です。
最後に
レムデシビルは一般名で商品名ではないのですが、商品化される直前まで薬の名前は開発コードで呼ばれ一般名はありません。
一般名は開発した会社が一定の法則に従って命名するのですが、研究所の人間にとって一般名が付けられた薬というのはもう仕事の終わった薬であることを意味します。
新型コロナウィルスに効果があるとかない(国際共同治験の結果)を別にすればFDAでの承認は、効果がなくても現在申請中の感染症の抗ウィルス薬として承認されるでしょう。
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