コロナの検査と治療薬 薬剤師として解説してみた。
私はPCR検査数を増やせ論者ではありません。
そこで、今回は、薬剤師として用語の解説を行います。
PCR検査法
患者さんの鼻腔液や唾液中にコロナウィルスだけが持つ遺伝子が含まれているかどうかを調べる検査法です。
PCR(polymerase chain reaction)とはDNAポリメラーゼ酵素を用いてコロナウィルス固有の遺伝子のみを複製して容易に検出できるまで増殖させる方法のことです
コロナウィルスの重症化率は10%以下です。 したがって、軽症で自然治癒した人からは検出されませんが、感染者数の把握や感染率の計算など経済活動における重大な意味を持ちます。
抗体検査
ドイツのある町では住民の14%が抗体(免疫)を持っていたそうです。
(MIT Technoligy Review Editors 2020/4/15)
抗体検査は血液をサンプルとする必要がありますが、COVID-19で用いられているイムノクロマトグラフィー法では15分程度の迅速な検査が可能です。
(15分で検査結果が出る「新型コロナウィルス抗体検査キット」とは? yahooニュース 2020/3/22)
妊娠検査薬にも使われている方法で、迅速で簡便ですが、目での確認なので誤差が生じやすいとされています。
集団免疫の獲得には全住民の60%以上が抗体保持者である必要があるとされています。
「新型コロナ収束まで3~5年? 集団免疫の獲得が条件」 日本経済新聞 2020/4/30
治療薬
5月4日 ギリアド社が抗ウィルス薬・レムデシビルを厚労省に承認・申請しました。
すでに5月7日特例承認、アビガンの開発も加速されています。
レムデシビルもアビガンも抗ウィルス薬でウィルスが自身の増殖に不可欠な核酸と似た構造をしており、間違えて抗ウィルス薬を取り込んでしまうことで効果を発揮します。
ワクチン
【新型コロナ】ファイザー、ワクチン試験開始ー英国死者が欧州で最多
新型コロナワクチン見通し「最短で1年」も・・・・・ 開発には高いハードル
治療薬もワクチンも複数の企業が開発に取り組んであり、5月1日にFDAがレムデシビルの緊急使用を認めたように
当初見通しよりワクチンの承認も前倒しになる可能性があります。
最後に
いち早く承認された抗ウィルス薬は一時的かもしれませんが、重症患者の致死率を下げ、入院日数を減らし医療崩壊を防ぐでしょう!
さらに、治療薬やワクチンは複数の製薬会社が臨床試験をしており、より強力な薬が開発中です。
新型コロナウィルス治療薬・ワクチンの開発動向まとめ【COVID-19】AnswersNews 2020・4・30
南半球ですが、同じ島国のニュージーランドは、新型コロナに対する警戒度をさげました。
(ニュージーランド、コロナに「勝利」宣言=外出規制緩和も警戒続行 時事メディカル2020・04・28)
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