ディル 消化を助け、デトックスにも!  


植物


【学 名】  Anethum graveolens

【分 類】  セリ科・イノンド属 

【種 類】  1年草 

【原産地】  南ヨーロッパ、インド、ペルシャ

【薬用部位】 葉、茎、花、種子  

【利用】 ハーブティー、精油、食材



歴史

古代エジプト(紀元前3000~同30年)でも治療薬として使用されていたことがヒエログリフよりわかっています。


古代ローマ(紀元前753~同30年)においてはディルはとても貴重なハーブで、薬用のほか調味料や芳香剤とするために栽培していました。


聖書にも税金として支払われていた記述がある植物で、中世には悪魔を追い払う力を持っていると信じられ、魔除けのハーブとして重用されました。


また入浴剤としても使われ疲労回復に効果があるそうです。

(イノンド Wikipedeia参照) 


非常に古くから薬や食材として用いられてきており、安全性に関するデータの蓄積はいわゆる医療用医薬品など足元にも及びません。




成分

教科書的には

カルボン、リモネン、ピネン、ジペンテン、フェランドレンを含み、鎮静、駆風、消化促進、利尿作用を示します。


青みを帯びた緑色の葉は、キャラウェイのようなすっきりとした香りをもち、細かく刻んで卵やジャガイモ、魚介料理に使われます。 


タネをかむと、葉より刺激の強い香味があり、ピクルスやパンの香りづけ、ソーセージなどに利用されます。

(趣味の園芸 NHK出版参照)


最近の研究では


Youngyo Kim等は2017年に彼らの総説の中でディルのフラボノイドは抗酸化作用と抗炎症作用が強く心臓病のリスクを減少させる可能性について記述しています。

(Youngyo Kim et.al. Clin Nutr ESPEN . 2017 Aug;20:68-77)


ダイエット

教科書的には

味覚神経を刺激、唾液や胃液の分泌を促し消化を助けます。 (イノンド Wikipedeia参照)


果実を陰干ししたものが生薬、蒔蘿子(じらし)として芳香性健胃,駆風薬として製剤に配合されるほか,果実を水蒸気蒸溜してえた蒔蘿水を小児の食べ過ぎに用いるそうです。

(資料館生薬データベースより 富山大学 和漢医薬学総合研究所)


消化を助け胃腸の調子を整え、内臓の基礎代謝を上げてダイエットに寄与するとともに、温和な不眠症の薬としても用いられており、そのリラックス効果はストレス太りを防ぐと考えられます。


また利尿作用はデトックス効果を期待できるだけではなく、むくみとり効果もあると思われます。


最近の研究では

 Mahmoud Mirhosseini 等は2014年にディルに含まれる成分により、HDLコレステロール値の変化なしに総コレステロール値を下げることまた中性脂肪の低下作用を示すことを報告しています。

(Mahmoud Mirhosseini  et.al. J Res Med Sci . 2014 Aug;19(8):758-61.)


さらにLaura F DeFina等は2012年に血糖値を下げる効果を持つことも報告しています。

(Laura F DeFina et.al. J Investig Med . 2012 Dec;60(8):1164-8)

薬の千夜一夜物語 漢方薬編

ヨーロッパでは漢方薬のようにハーブを処方箋薬として使います。 インドにはアーユルベーダを利用した医学があります。 日本の漢方医学は中医学とは異なり西洋医学の考え方を織り込んだ漢方薬です

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