センブリ 日本の民間薬 でも 今や本場中国へも
植物
【学 名】 Swertia japonica
【分 類】 リンドウ科・センブリ属
【種 類】 二年草
【原産地】 中国、朝鮮半島
【薬用部位】 全草
【利用】 生薬、ハーブティー(センブリ茶)
歴史
日本固有の生薬『当薬』でいわゆる漢方薬ではありません。
当薬(とうやく)の由来は、試しに味見をした人が「当(まさ)に薬である」と言ったという伝説から生まれたそうです。
いわゆる民間薬で『本草綱目』などの医学書への記載はなく、1856年に『草木図説』でセンブリについて書いてある程度です。
日本でいつ頃から利用され始めたのか定かではありませんが、書物で確認できるのは19世紀中頃で、安全性データの実績としては他のハーブ比べ長期間とは言えません。
しかし日本人に限れば(くすりの効果、副作用に人種差のあることはよく知られています)、例数の蓄積は十分と言えるかもしれません。
成分
教科書的には
スウェルチアマリン 、スエロサイド(スウェロサイド)、アマロゲンチン、アマロスエリン(アマロスウェリン)、ゲンチオピクロサイドなどのいわゆる苦味配糖体(くみはいとうたい)を含みます。
千回振っても苦味が消えないほど苦いためセンブリと呼ばれるようになったのは薬学部出身者なら誰でも知っているエピソードです。
センブリは苦いものを消化するための反射的な体の機能を利用したもので苦味健胃薬と呼ばれます。
決して万能薬ではないですが、『良薬口に苦し』の迷言???のためか胃薬として万能薬のように重宝されています。
最近の研究では
千葉大学の池上は2012年の総説の中で結膜炎の洗浄液としての利用や発毛剤(血流の改善効果)への配合などが現在されていることを記述しています。
(F. Ikegami, Wakanyaku, 709, 10-11, (2012)
ダイエット
教科書的には
センブリは胃液分泌の促進や抑制効果も有し、胆汁、膵液の分泌促進、肝機能改善効果、毛細血管拡張作用などを有します。
内臓の基礎代謝改善効果は、ダイエットに有用と思われます。
最近の研究では
千葉大学の池上2012年の総説の中で、センブリのリパーゼ活性増加作用による脂質代謝能の改善や含まれているbellidifolinという成分が血糖値を下げる効果のあることを報告しています。
(F. Ikegami, Wakanyaku, 709, 10-11, (2012)
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