ローズヒップ 英国を救った、女性の味方とも呼ばれるハーブ
ローズヒップはすでに2回紹介しました。
植物
【学 名】 Rosa canina
【分 類】 バラ科・バラ属
【種 類】 常緑低木
【原産地】 ヨーロッパ・北アフリカ・西アジア
【薬用部位】 果実
【利用】 ハーブティー、精油、香水
歴史
第2次世界大戦の初期(1940年ー1941年)ドイツのUボートによる輸送船団の撃沈により、英国は食糧をはじめとする深刻な物資不足に陥っていました。
特に柑橘類の不足は深刻でビタミンC不足による壊血病患者の急増が予想されていました。
チャーチル首相は、一般家庭の生垣として植えられているバラの果実(ローズヒップ)の採集を英国の学童に命令しました。
日本軍の真珠湾攻撃(1941年12月)による米国の参戦によって海上封鎖による食糧全般の危機的状況から英国は脱しますが、ローズヒップにはレモンの20倍というビタミンCが含まれていることが世界に知られるきっかけとなりました。
比較的新しいハーブなので、慎重に用いるのが良いかと思います。
成分
教科書的には
◎美肌効果
◎免疫力を高める効果
◎関節痛の症状を緩和する効果
◎精神を安定させる効果
が知られています。
最近の研究では
メーファールアン大学(タイ)のL Phetcharat等は35歳~64際の顔にシワ(カラスの足跡)のある34人の被験者でアスタキサンチンとローズヒップパウダーの服用効果比較を二重盲検法で行いました。
評価は皮膚の弾力性試験、水分試験及びアンケートによる満足度調査により行われ、4週間、8週間後両方で、p<0.05の有意差でローズヒップパウダーの方が全項目で優れた結果を示したことを報告しています。
(L Phetcharat et.al. Clin Interv Aging . 2015 Nov 19;10:1849-56)
ダイエット
教科書的には
リラックス効果はダイエットの大敵ストレスによるコルチゾールというホルモンの増加を防ぎます。
特に過剰なダイエットによるストレスはこのホルモンを増加させるといわれています。
最近の研究では
森下仁丹研究所(日本)の Akifumi Nagatomo等はBMI25~30の被験者32人にローズヒップ抽出物の服用効果をプラセボ対照比較試験を二重盲検法で行いました。
12週間100mgの服用を続けた結果 腹部総脂肪面積、腹部内臓脂肪面積、体重、BMI値の有意な減少(p<0.01)が認められたことを報告しています。
(Akifumi Nagatomo et.al. Diabetes Metab Syndr Obes . 2015 Mar 6;8:147-56)
特に副作用は認められず、サプリメントが機能性表示食品として販売されています。
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